歩き始めた赤ん坊

歩き始めた赤ん坊

思えば2月19日にこの世に生まれた、「香港イラスト写真日誌」。 きっかけは東京出張時、本屋でなにげに手に取った「はてなの本」だった。以前から、ネットベンチャー社長 「近藤淳也氏」 に興味があったぼくは、さっそく購入して読み始めたのだけど、読み終わるころにはもう、「やらずにはいられない」 ほどブログに熱くなっていた。 「はてなダイアリー」はたった7人で運営されているベンチャー企業であるが、そのユニークな手法といい、「学園祭」のようなノリといい、他のどんな大手のブログ運営会社よりもすばらしい、と個人的には思う。 その「はてな」がメンテナンス作業ですべてのサーバーが一斉に停止することは、まずない。 これがどれほど大変なことであるかをぼくは知っている。 だから、これを実現している近藤氏の経営姿勢に頭が下がるのだ。

こうして経営者に感銘を受けて開設したブログも、しかし、「何をやっていいのか」わからない。 「日本中に百万以上存在する」といわれる「個人ブログ」。 そんな中で、「ぼくじゃなければできないブログとはなんだろう?」、「どうやればカッコイイブログになるんだろう?」と、始終、あたりの個人ブログや人気ブログを徘徊しても見た。 結果として、いまのスタイル(「写真」に「手書きイラスト」をかぶせ、「文章」をくっつける) を試行錯誤の果てに生み出した。 「でもこれは果たしてウケるんだろうか?」とか、「みんな見てくれるんだろうか?」とか、そもそも「こんなことやってる時間なんてあるのか?」などと、悩んでみたり、あれこれ考えあぐんでみたりしたが、そんなもの・・・

どっちだってよかったんだ

と、いま思う。


人はこの世に生を受けたとき、「おれはこれからどうすればいいんだろう?」と悩みながら、「おんぎゃー、おんぎゃー」泣いていたわけではない。 「ただ自分がココにいること」をいっしょうけんめい主張していただけ、だ。 そして、「泣けばお乳がもらえる」、「泣けばおむつが・・」、「泣けばおもちゃが・・」、「泣けば叱られ・・」、「笑えば微笑みが・・」、とこうして「自分が動く」と「まわりもそれにあわせて動く」 という反応からなにかを学び、「好奇心」の命ずるままに楽しいことを追い求めてきたわけだ。

だのに、やがて「したり顔の大人」へと成長していくにつれ、人はなにか新しいことを始めるとき、「出来なかったときの言い訳」を先に考えるようになってしまった。 それを人は、「大人の分別」とか、「思慮深いこと」としているように思う。 しかし、「できないままの自分」を、「始めてないままの自分」を、無理に「言い訳箱」におしこみ、封印してはいなかっただろうか? また、自分だけならまだしも、「なにかを始めようとする他人」にまでも、そういった「大人の分別」を押しつけていなかっただろうか?

自分が歩けることを知った赤ちゃん。 「歩くことがうれしくてしかたがない」ように笑いながら一歩ずつ歩いている。 その姿は、かつての自分にもあったはずだ。 はるか遠いその記憶に、あれはいったい何が楽しくて笑いながら歩きまわっていたのだろう?と想ってみる。 机の角で頭を打ち、絨毯のシワにつまずきながら、どうして赤ちゃん(時の自分)は、それでも歩くことをやめなかったのだろう? と。

歩くことをやめなかった証拠に、アナタがいまココにいる。

ブログを始めたきっかけなど、このさいもうどうでもいい。 頭で考えて始めたならば、さっさと心と体にゆだねればいい。 そうすれば、楽しいことへまっすぐに、笑いながら歩いいていける。 そう、歩き始めたばかりの赤ん坊のように。
やがて、楽しそうに歩くその姿を見て、楽しい人達が集まってくる。 楽しいことは人を時間を空間を共有し広がる運命にある。

楽しいことは連鎖する

何度だっていう。 それがぼくがブログで学んだ一番の収穫だったからだ。 またとない人生を、ぼくはこの歳でブログに教えられた。

6月17日夕方、銅鑼灣に集まったヒトタチ27人。 その他に様々な理由で「来れなかったヒトタチ」を含めるといったい何人になったのか想像もつかない。
もしぼくがあのときブログを始めなかったら、そして続けていなかったら、「この楽しいヒトタチ」と一堂に会する機会は無かった。
100パーセント、無かった!


▼「香港最強ブロガー委員会(第二回会合)」の会場のようす




「香港ブロガーズ」*1・・・、
いま、歩くことに夢中になっている大きな赤ん坊たち・・・





神様ミルクを、いや、ミラクルを!

■ おしらせ
「香港最強ブロガー委員会(第二回会合)」に参加いただいたみなさま、どうもお疲れ様でした。 おかげさまで合計27人もの参加となりました。 参加年齢も、57歳から、一歳まで(参加者といっていいのか!?)までという幅の広さも瞠目です。 第一回目(19名)を上回る参加者数にうれしオドロキでした。 また、12時を回ってからの2次会にも、20人近く参加者が集まり、まだまだ「話し足りない」様子がうかがえました。 3次会が終わったのは4時を回ってましたね。 いやあ、楽しかったです。
ついでに、「誕生日」も祝ってもらい恐縮でした。 ありがとうございます。

▼ 文中で紹介した「はてなの本
はてなの本 (NT2X) はてな社長、近藤淳也氏のインタビューや、「はてな」のしくみ、「はてなダイアリー(ブログ)」の技術的な解説などが書かれた本です。 「はてな」を始めたくなったら読んでみてください。

*1:香港ブログを書く人、香港ブログを読む人、それを両方する香港ブログファンを含めてたヒトタチをさす