車のボンネットいっぱいに地図を広げ、ぼくは、今いる場所に鉛筆をまっすぐ立てる。 その横で、その人は柔らかくぼくの腰に手を回す。 季節は5月、雲一つない空に、飛行機雲がひとすじ、左から右に白くにじんで光る。 「じゃ、いくよ」 とぼくは、立てた鉛筆…
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