時刻表のない香港の地下鉄

時刻表がない香港のMTR

香港の地下鉄には、 時刻表がない。
市内バスにもないし、ミニバスにもない。
「ないんですか?」
「ええ、ないです」
「不便じゃないですか?」
「どうしてですか?」
「何時に電車が来るのか、わからないでしょう」
「電車は来ますよ、すぐに」
「すぐって、何分後ですか?」
「さぁ? 何分後でしょうねえ」
香港、いや世界中のほとんどの地下鉄や市内バスは、時刻表というものがない。 せいぜい、「始発と終電が何時何分で、この時間帯だと何分おきに運行します」程度のものだ。 時刻表が用意され、分刻みで正確に運転する日本の運行システム。こちらのほうが、むしろ例外的存在だ。
乗り換え案内サイトというものが、日本には存在する。このホームページで、"乗車駅"と"下車駅"、"出発時間"を入力すると、「乗り換え場所はどこで、何時何分で、到着時間が何時何分で・・・」ってのが瞬時に検索できる。乗車料金もわかる。「到着時間」で調べたり、「料金優先」で選べたりできる。「スゴイ!」始めてこのサービスを知ったとき、ぼくは感動のあまり一晩中これで遊んだ。 おかげで海外に住んでいながら、その瞬間、JRの駅員さんよりずっと詳しかったんじゃないかと思う。インターネットがなかった時代も、パソコンソフトで同じコトができた。
世界広しといえども、「こんなことができるのは日本だけだ」、と思う。
香港や中国では今後ともありえないだろうし、イタリアでこんなサービスが始まったら、ジョルジョもカルロもジュリアーノも全員、ノイローゼで死んでしまうと思う。きっとローマ法王*1はあわてふためき、「神の御心において」これを禁じてしまうだろう。
一時帰国中のこと。都内の電車に乗っていると、実にいろんなアナウンスが聞こえてくる。「前の電車が次の駅で停車しておりますので、恐れ入りますが一分少々お待ちください。お急ぎのところ、たいへんご迷惑をおかけしております」んだそうだ。実に「一分少々」の遅れで、この「お詫びアナウンス」だ。「少々」の部分は秒の域にすら達している(!)
こんな一分一秒にこだわる神経質な民族が、いまだ「平均寿命」、「健康寿命」ともに世界記録更新中という驚異。 長嶋カントクでなくとも「ラクルですねえ」と答えてしまうだろう。
「その電車チョット待ったあ!」
言葉空しく目前で乗車扉は閉まり、間抜け面を車外に残したまま、その電車は振り向きもせず走り去ってしまう。「次の電車はいつ来るのだろう?」 その思いは、今のぼくの香港生活そのものだ。

「次の電車はいつ来るのだろう?」

「ミラクルですねえ」
と、カントクが答える。



じゃあ、今日のランキングは何位なのだろう?

■なおきんからのおしらせ■
いつも「イラ写日誌」にアクセスいただき、ありがとうございます。 おかげさまで昨日のアクセスはなんと800ページビューを超えていました。 一週間前まではだいたい200〜300程度でしたので、「3倍ですよ、奥さん!」ってな驚きです。ちなみに下のショットは、3月28日時に日誌更新しようとアクセスしたときに「縁起ええ数字じゃのう、ばあさんや」 と思い、画面コピーしておいたものです。

4月1日現在のカウント数から8888を差し引き、かかった日数で割ると、過去4日間の平均で、「500」以上もページアクセスがあったということに!? 「未体験ゾーン突入ですよ。さぁ奥さん、しっかりつかまって!」ってな勢いです。 これも、「コメンテイターのみなさん」のおかげと、ふんどしが、きゅぅううううっと締まる思いです。
たとえば4月1日の記事、文字数1100に対し、コメントの文字数6100(!)。実に6倍です。たった一日で、400字詰め原稿用紙15枚以上もの量のコメントが書き込まれているという衝撃の事実
( ̄□ ̄;)!! に、腰を抜かしたままカニ歩きで部屋を一周してしまいました。 これはまさに「ザ・コメンテイターズ」のためのブログに違いありません。今後ともどうかヨロシクお願いします。 

*1:この日誌の翌日[4月3日]にお亡くなりになりました。ぼくはクリスチャンではないけれど、謹んで追悼の意を表します。http://www.cnn.co.jp/world/CNN200504030003.html