香港の居酒屋

香港はちょっとした居酒屋ブーム。日本のチェーン店が怒濤の進出ラッシュだ。しかもどこもとても混んでいて、予約なくてはまず席は取れない。それどころか、予約すら受け付けない店も。料理や店の内装は、日本と遜色ない出来なのに、値段はお手頃。その影響もあって、先日紹介した"日式レストラン"の一部は、ちらほら店をたたむところもでてきた。無理もない、自然淘汰である。しかも今の香港人は、日本に何度も旅行しているから、舌もとっても肥えている。従来の日式レストランオーナーにとっては、いよいよ冬の時代に突入だ。
ところがこの居酒屋、な〜んか日本と違う。食べ物もうまいし、メニューも豊富。店員のサービスもまずまずだ。日本のそれと変わらぬ喧噪。笑い声、叫び声、うた声(?)・・・。 しかし、そのどれもが無臭でドメスティック、まったくスパルタンなところがない。丸の内OLのみなさんに言わせると、「カレってさあ、いい人で優しいんだけど、なんかこうワイルドでセクシーじゃないのよねえ。」ってなかんじだ。押さえようのない違和感を覚えながら、店内を見渡す。 すると香港人カップルやグループとおぼしき席には、ほとんどアルコールが見受けられない。どの席も「お茶」、「お茶」そして、「お茶」である。
「おねえちゃん、とりあえずビールね。」というのは、日本の居酒屋の正しい風景だが、ここ香港では「とりあえずお茶ね。」そして、ずーっと「お茶」である。
「まーお下品、アメリカ人はフレンチでコーラ飲んでるざます。」とフランス人は呆れるが、「香港人は居酒屋でお茶飲んでる」というのも、そうとうヤバイ。居酒屋の存在意義が問われる一大事だ。
でも、居酒屋「和民」の看板、よおーく見ると、なんか違う。

『居食屋(いしょくや)』だったのかよ!

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  • ========<和民関連の本>========
    図解・創造的仕事の技術『和民』のワタミフーズを成功へ導いたとされる企画工学研究所の悴田氏の著書。まず、本のデザインが気に入って購入。右ページに文章で、左ページに手書きイラストチャートで仕事のテクニカルをわかりやすく説明。文章を読破する時間が惜しいとき、このイラストチャートだけでも、かなりヒントが得られるはずだ。