過重願いで折れる枝

願掛け樹

普段は神も仏も敬っているワケじゃないのに、初詣となるとわれ先に"お願い事"をしてしまう習性は、日本人も香港人も同じ。
香港の郊外にある大埔(タイポー)には『許願樹(願掛けの木)』といわれる木があって、毎年旧正月には多くの人々がお願い事をしに方々から集まってくる。そして"お願い事"を札にしたため、お供え物のオレンジにひもでくくりつけてから、勢いよくこの木に向かって投げつける。その姿、まるで砲丸投げのポーズ。そしてうまく枝に引っかかると、わーっと歓声を上げてよろこんでいる。そう、「うまくひっかかれば"お願い事"がかなう。」と言い伝えられてるのだ。
でもこの『許願樹』、あまりの"願掛けオレンジ"の重みに耐えきれず、ついに枝が折れ、その下にいたお爺ちゃんと孫の頭上へ落下。和やかな樹の周りは一変し、2人は重軽傷を負う惨事となった。被害を受けた二人はもちろん不幸だが、「こうして、"お願い事"を却下された、願掛けオレンジの持ち主」も不幸。
でももっとも不幸なのは、勝手に『許願樹』などと呼ばれて、毎年オレンジと紙切れを投げつけられるこの大樹なのかもしれない。


オレンジと、ひもでくくりつけられた"願掛け札"の拡大図。オレンジ一個で願い事なんて、そもそも虫がよすぎるわっ。(くわっ!)

  • [他の香港地元ブログもみてね]
  • 【最近電車の中で読んでる本:「地球のはぐれ方」】
    東京するめクラブ 地球のはぐれ方 こういうライトな旅本ってなごみますね。人にあげようと日本で買ってきた本なんですが、おもしろいので自分で読んでます。