本屋たわむれ日誌

立ち読みできない香港の日本書籍店

ぼくは、やたらに本屋が好きである。
紙とインクの匂い、店にかかっているBGM、てきぱき働く店員、静かに本を手にとってぱらぱらとページをめくるお客・・・、そんな店全体が醸し出す雰囲気に酔ってしまう。本そのものよりも、『キレイな店員さん』『本屋さん』が好きなくらい。こうなるともう、フェティシズムの域ですね。
香港では"PageOne"、台北は誠品書店、ロンドンはチャーリングクロスの"FOYLES"・・・、パリなら"Fnac"あたりの大型店なら一日中いてもぜんぜん退屈しません。 日本は本屋好き天国なので、東京へ出張するたびに、時間あれば"紀伊国屋書店"や"ブックファースト"でフェチ野郎と化しています。 特に東京駅の大丸三省堂は店内のコーヒーショップで、買う前から「立ち読み」ならず「座り読み」ができるのが二重丸。また、日本人の本好きは世界一なので、この民族が大勢住むところ、そこには必ず日本書籍を扱う本屋があるといっていい。
そんなわけで香港にも日本書籍(雑誌&漫画のみを除く)を扱う店が、それなりにある。中でもそごう11階にある"旭屋書店"は今年リニューアルオープンで、その存在を盤石にした。取り扱い書籍数を増やしたのはもちろん、照明を落とし SPA系音楽を流すなど高級感や癒し度が高まってます。(ついでに値段も高まってますけど。)
香港や台湾などアジアの日本書店はなぜか雑誌がビニ本仕様。いわゆる「立ち読み防止」ってことなんだろうけど、これはイヤですね。カウンターに持って行けばビニールをはずしてくれて中が読めるとはいえ、やはり心理的負担が大きい。 せめてサンプルをスタンドにおいて欲しいです。値段は高いわ(1.5倍〜2倍)はビニ本だわで、さしものフェチ野郎もやや凹みがち。それでも、毎月雑誌だけで1000ドル以上貢いでます。みんなはどのくらい貢いでるんでしょうか?
ところで、香港でIT関係の雑誌を出版している友人(香港人♂)が言ってましたけど、香港人って本読まないそうですねー。その彼が言うには、香港は文革時代に迫害を逃れてきた中国人が多く、「インテリは抹殺される」ってのが集団トラウマになってるのが根源だとか。あと、「金儲け第一主義」な国民性が、一般教養よりもノウハウや資格取得に走りがちで、読書人口が少なく娯楽はビデオか漫画止まりといって嘆く。
「日本に観光に行ったとき、誰もが電車で本を読んでいる姿に感激しました。」と彼は言う。「香港でもあれだけ本が売れれば、うちももう少し儲かるんですが・・・。」
オマエも金儲け第一主義かーい!

  • ここをぽちっとありがとう、ランキング応援なあなたが愛しい