店で食器を洗う客

テーブルの食器を洗ってくれる元同僚

「あー、だめそのお茶飲んじゃ!」
「え、なぜ?」
「ちゃんとゆすがないと・・・」
香港に来て、スタッフ達に連れられて初めて茶餐廳(ちゃーちゃんてん:大衆食堂)でランチをとったときのことだ。ここでは、出された取り皿や箸を、お客が一度お茶で洗ってから使用する習慣があることにびっくりする。たしかに食器は濡れたままで、箸はぬるぬるしていることが多い。大きめの器に出されたお茶をうつし、そこで取り皿とかをじゃばじゃば洗う。余分にお茶のグラスをもらい、どぼんと箸をつっこむ。ゆすいだそれらの食器を、持参したポケットティッシュで水気を拭き取る。それって、お店を侮辱したことにならないか!?
「はい、どうぞ。」と小皿や箸をぼくのところに戻してくれながら、スタッフのひとりは「香港では自分のカラダは自分で守らないと・・・」と言う。
あたりを見回すと、店のおばちゃん達がテーブルの上の汚れた食器やグラスを、手に持ったバケツのようなものにつっこんで回収している。それを別のおばちゃんがバケツの水で軽くゆすぎ、またテーブルに戻していく。
「あのー、バケツ水でおしまいですか!?」
次からはいっそ、マイ箸、マイ取り皿持参にしようかと・・・。
でもね、よくよく考えたら、取り皿や箸がこの扱いなら、料理が盛られている皿も同様に汚れているだろうし、まな板や包丁などの調理器具もろくに消毒されていなさそうだ。箸や取り皿を軽く洗浄したところで、単なる気休めにしかならないですね。
そう思うと、なんだかふっきれるものがある。それよりも免疫力を高めるために、ストレスをためないようにするとか、睡眠時間をしっかりとるほうが、健康維持には良さそうです。ぼくの食器をせっせと洗ってくれた、やさしい元スタッフには申し訳ないけど、神経質さは結局余分なストレスを貯めちゃうのでは? 香港が日本並みに潔癖になることは、まずありえないだろうから。
これも、「香港では自分のカラダは自分で守らないと。」ですね。

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