アルプスの少女とランチ
ケリーは、毎度ながら「いったい、どこで売ってるんだよ!」風ファッションで、朝からいつもより機嫌がいい。
イースターは念願の東京観光だという。一人で?と聞くぼくに、「ダーリンも一緒よ」と答える。彼女にもダーリンがいるのにはちょっと驚いたが、かまわず彼女はニコニコと朝食用に買ってきたサンドイッチをほおばっている。カーディガンに張り付いているハイジとユキちゃんも、なんだか楽しそうだ。
そんなケリーが最近お気に入りのファーストフード。"QQ Rice 【西龍傳香飯】"、いま健康志向の香港人にとってもウケているという。急速に店舗展開しているので、きっとみなさんもどこかでこの緑の看板を見たことがあるんじゃないでしょうか?
「例のライスやさんへテイクアウトしに行くけど、一緒にどう?」と、アルプスの少女、ケリーがいう。時計を見ると12時半。ぼくはファイルを閉じ、ペーターになったつもりで彼女についていった。
そのお店は、すでに長蛇の列が出来ていた。たいへんな人気らしい。数種の米をブレンドした6つのベース地の中から一つ選び、乾燥肉や漬け物など50種類のトッピングから5つ選ぶ。それを注文用紙に記入してレジで会計すると、数分後にラップされてできあがり!というシステムだ。ひとつ15ドル、子犬のようにそれは手の中でほんのり暖かい。
日本の「おにぎり」か「手巻き寿司」のようなものかなあと思って食べてみると、だいぶちがっていた。トッピングに海苔を選んだが、外側ではなく、中華まんじゅう風に内部に押し込まれている。どこかチマキに似た食感。ピーナッツチキンが噛み切れない。ケリーには悪いと思いつつ、結局残してしまった。
「低カロリーだし、ビタミン、食物繊維がたっぷりよ」ケリーは口のまわりにゴマをくっつけて、たたみかけるようにぼくに説明する。「とってもヘルシーなのっ!」
そんな彼女はここさいきん、ダイエットを慣行中。彼女も30半ば(だと思う)、まだまだ蝶よ花よの女盛り。好物のエッグタルトもすっかりご無沙汰だ。「ちゃんと痩せて、東京で、たっぷりオシャレを楽しみたいの」と、はにかむように笑う。
「おしゃれ、ねぇ・・・」
ハイジのアップリケも笑っている。
▼QQ Rice
香港人のヘルシー指向性の高さが、このファーストフード店の繁栄の源泉といえる。特にダイエット中の方、どうぞ。ケリーもおすすめです。 オフィシャルサイトはここ
