雑誌インタビュー?

雑誌のインタビューって?

街を歩いていると、
「日本人の方ですか?」
と声をかけられた。
若い香港人男、すっと名刺を差し出してくる。
週間 壹 編集記者」の肩書き、名前をチャンという。
「お時間もらえませんか? こんど香港に住む日本人を特集するんです」という。
「はぁ・・・」と呆けていると、
「政治や歴史のことは一切触れませんから、安心してください」
チャン氏はあわててそう付け加えた。 ご時勢だけに、警戒心を抱かせたくないのだろう。 「取材かあ」、まあ30分程度だったら別にイイかなと思っていると、
「明日、カメラマンが同行するので、場所と時間を指定ください」という。
明日は朝から移動予定なので、「申し訳ないですが・・・」と、ぼくは答える。まあ、取材のための日本人なんて、他に代わりはいくらでもいるだろう。しかしチャン氏はしつこく、「どうしても!」と言う。 仕方なく電話番号を教え、「バイバイ」と言って別れた。
オフィスに戻り、もらった名刺を見せながら、ケリーに今のことを話すと、
「たまごっちさん(オフィスでぼくはそう呼ばれている)、その取材、断って良かったわよぉ」と言う。 なんだかんだいって、結局「反日デモ」について、意見求められるに決まってんだから、と。
「それならそれで、ぼくの意見をいうだけだよ。何か問題でも?」
「言葉の両端をピックアップして、あとは彼らの都合いいように編集されるだけよ」神妙な顔をして、ケリーはそう言う。
週刊誌なんてそんなものだろう。「読者はいつもセンセーショナルさを求めている」と決めつけ、記事を無理に当てはめる。 ぼくのインタビューだって結局のところ、『やっぱり日本人は侵略を美化していた!』とか、なるにちがいない。 しかし、「それもまたよし」だ。実際どう編集されるのか、ちょっと興味がわいてくる。
「写真も撮られるんだからやばいわよ。『壹』は有名誌だから、中国当局も読んでるもの。それが原因で、中国へ入国した瞬間、逮捕されちゃうかもよっ、きゃー!」と、ケリーは言葉とは裏腹に、どこか楽しそうでもある。

席に戻って仕事していると、さっきの立ち話の様子をうかがっていたアンドリューがそばにやってきた。 きょうはいつもの"鼻毛"がでていない。
「たまごっち、逮捕されちゃうの?」 真顔でそう訊く。
コイツはいつだって、人の話を"単語"でしか聞かない。



それにしても、「インタビュー」 ちょっと惜しかったかな?
たとえ逮捕され、留置場に入れられることがあったとしても、「ブロードバンド完備」なら悪くないかな?と思う。


「獄中イラスト写真日誌」とか、オモシロそうだし





 さて、「イラ写」も次回から東京に場所を移して限定版をお届けします。どこにいようと、どんなにバタバタしてても、頑張って更新します。クリックで励ましてやってください