もっこり君達の不満爆発

「バイアグラ」と「額入りヌード写真」

「中国では、ムフフなページが見れない」
その噂を聞いたぼくは、さっそく中国に滞在している間に、片っ端からエッチサイトにアクセスを試みたことがある。Yahooで「エッチワード」を入力して検索し、ヒットしたサイトへとアクセス開始!
「・・・・つながらねえ」
画面には"サーバーが見つかりません"のメッセージ。わかってはいたけど、やはり空しい。「ムフフ写真」や「いやぁんな写真」サイトへのアクセスは、こうして100%不成功に終わった。
中国では実情はともかく、表向きは「ポルノ禁止国」。エロ本もエロビデオも禁止されている。 唯一のポルノは、「人体図鑑」等の名称で「地味なヌード写真集」がハードカバーで売られているくらい。 瀋陽空港の売店で、「普通のヌード写真」が立派な額に入れられ、バイアグラの隣で仰々しく売られてるのを見つけ、思わずすべり転びそうになったことがある。(なんで「バイアグラ」?)
二十歳前後、ぼくはまるで全身生殖器のように、毎日エッチなことばかり考えていた。起きてエッチ、寝てエッチだ。まわりの野獣どもも同じか、それ以上だったように思う。まあ、「正常な思春期(サカリ)」だったわけです。その点、中国の若い人たちは「ムフフなページ」も見られず、毎日悶々としてるなんて、同情してしまいすぎ。適度に「ムフフ」しておかないと、反動でつい性格が攻撃的になるから、結構あなどれないのだ。都会のオスが野生に戻るとき、辺り一面しわだらけだ。誰かにしわ寄せがいってしまう。
世界の例に漏れず、中国も伝統的に「政治デモ」は学生がその活動の中心だ。 「6.4事件」といわれる、「1989年の天安門事件」。このとき参加した学生は100万人以上であった。この動きは結局、治安維持の名目で軍が市民に発砲し、鎮火した。戦車でぺちゃんこにされた同胞を間近にみて、中国市民は「政府に盾突くとこうなる」ことを身に染みて理解した。
ポルノもダメ、現政権を非難することもダメ、大学を出ても就職先がない、彼女もいない。 彼女が出来たら、今度はお小遣いがない。 デジカメが欲しい、PSPを持ってるやつが羨ましい、車を持っているやつが恨めしい・・・。世間を大騒ぎさせている一連の反日デモ。彼にプラカードを持たせ、石を投げさせるのは、こうした持てない事への不満や持つ者へのねたみ。つまり、「満たされない物欲」と「満たされない性欲」だ。と、ぼくは思う。

そんな「股間もっこりな彼ら」に、政府が差し出したのは「人体図鑑」と「反日」であった。3万人とも4万人とも言われる政治局サイバーエージェントを使い、ポルノサイトを摘発し国内からアクセスできないようにしたが、また、それの「お詫び」として、反日掲示板を立ち上げて、「反日運動」をけしかけた。
こうして、本来なら自分たちに向けられる「不満のはけ口」を、「日本」に矛先を変えさせた。


それは一見、成功したかのように見えるけれど・・・。振り上げた拳が、どこに落ちるのかは、まだわからない、のです。
彼らが信じる「反日」の根拠って、意外と「はりぼて」だったりするから。



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