あなたの不調は冷房のせい?

殺人的に寒い、香港の冷房

香港は、「高温多湿」。 一年の半分は30度前後の高温に加え、信じがたい湿度に悩まされる。 連日90%以上なんてのはもはやザラ。 しかし、カラダにとって深刻なのはむしろ"暑さ"よりも、"寒さ"だったりする。
そう、みなさんもお悩みの「オフィス冷房残酷物語」だ。

「弱冷房」がほぼ慣習化した日本に比べ、香港をはじめ東南アジア諸国は、その"冷やし方"がハンパじゃない。 暑いところから建物にはいると一瞬、その「ひえびえ感」に生き返る思いがするのだけど、長時間滞在するとこんどはその寒さに、「かいた汗も凍る」思いでガタガタとふるえることになる。

「冷房、弱くしてよ!」
"殺人冷房"に慣れない日本人は、誰もが一度は口にするセリフだ。
日本人、我慢できず立ち上がる。
日本人、冷房弱める
香港人、我慢できず立ち上がる。
香港人、冷房強める
日本人、また冷房弱める
香港人、また冷房強める
かつてのテレビのチャンネル争いのような様相が、ここ香港では冷房をめぐって再現されている。
「空気だってキレイになるんだからっ」
と、なんの科学的根拠もないことを、いまだに信じている香港人だっている。

さらに、さいきんでは中央制御にて温度調整がされているビルも多くなった。 つまり場所によっては、「チャンネルそのものがない」ことだってありうる。 こうなるともうお手上げだ。
とはいえ、いつまでも「両手をあげたまま」でもいられない。 現代病の多くは「エアコン」が原因だったりするからだ。 しかも「真綿で絞め殺されるように」じわりじわりとカラダをむしばんでいくから、かなり深刻。 ある意味、「SARS」や「反日運動」よりも総合被害力は大きい、とぼくは思う。 東南アジアの「カントリーリスク指標」にぜひ、この「冷房地獄」を加えてもらいたい。

▼ 「強い冷房」による、症状について

  • ・手足の冷え ・ほてり ・肩こり ・慢性疲労 ・頭痛 ・下痢 ・便秘 ・不眠 ・肌荒れ ・月経不順 ・肥満 ・風邪をひきやすい ・イライラしがち

きっと、「あるある〜!」って思われた方、多いのでは? 長時間キンキンに冷えた冷房にあたることで、以上のように身体の内外から、あなたの「美貌と健康」は奪われているのです。 「香港だから、仕方ないよねえ」と、悲鳴をあげるカラダを放っておくと、後でかなりイタイ目に遭ってしまうし、実際遭ってしまったヒトを何人もぼくは知っている。
一方、同じことが欧州であれば、強い冷房を理由に 「出社拒否」は認められ、さらに「損害賠償」すらありえるほどなのに。

「そのうち慣れますから・・・」
香港へ着任してからしばらく、頻繁にかかる"風邪"や"腹痛"に悩むぼくに、在港10年のベテラン日本人にそういう。 たしかにいまは、「当初ほどでは」なくなった、ように思う。 でもねこれ、「慣れた」んじゃなく、

「自律神経がイカれた」だけなんです ( ̄□ ̄;)くわっ!!

いうまでもなく、「気温の寒暖」に対応すべくぼくたちの身体は一生懸命、「体温調整」をやっている。

  • 暑さを感じる → 副交感神経働く → 血管拡張 → 熱放出
  • 寒さを感じる → 交感神経働く → 結果収縮 → 放熱防ぐ

こうした自律神経(交感神経・副交感神経)が、あまりの寒暖激しさに、麻痺し、混乱する。 つまり、かるい「自律神経失調症」にかかっているわけだ。 慢性的な"能動汗腺衰退症"にかかり、汗がかけなくなっている。 ということはつまり、身体の老廃物が外へ出にくくなる。 その結果が、上に示した症状だ。 思えば着任当時のぼくのカラダは、その異変に、風邪や腹痛を起こさせることで、けなげに注意を呼びかけていたのかもしれない。
「ゴメンな、オレのカラダ。 気づかなかったオレを許しておくれ」

香港にしばらく住み始めると、ぼくは「運動」をしないと落ち着かなくなった。 ストレッチや筋トレは、別にダイエットを目指しているんじゃなく、単に 「やらないと、どこか気持ちが悪い」 からだ。
きっと、カラダが"SOS"を発信していることにようやく気づいたのだろう。 香港に来てから「山登り」を始める日本人は、思いのほか多いが、これも 「新鮮な空気と汗」 をカラダが求めているからだと、ぼくは思う。

「冷房をたたき壊せ!」
それじゃ、「健康無罪」。 某国の「愛国無罪」の暴徒と同じになってしまいます。 「どう、この悪環境に対抗していくか?」 やはり日本人なら、そうならなくっちゃ。

てなわけで、以下にオフィスや自宅で簡単にできる、「対処法」について紹介してみよう。 こんなふうに、冷房で壊れかけた自律神経を正常に戻すには、「酸素」と「血液」を、定期的に全身に循環させてやればいいわけです。

■ 「イラ写」的、抗冷房病体操

  • 両手を腕の前で組み鼻から息を吸い、ゆっくり息を吐きながら両手を裏返して前にのばす
  • 次に、息を吸いながら両手を胸の前まで戻す
  • 3〜5回、繰り返す


  • イスの横側をもって、イスのやや前に腰かける
  • 両脚を揃えて前にのばす
  • 息を吐いてアキレス腱を伸ばしてから、息を吸って背中をまっすぐ伸ばす
  • 次に、ゆっくりと息を吐きながら、ヒザ裏やふくらはぎが軽く痛むところまで、上体を前に傾ける


  • 靴を脱ぐ
  • 右足首を左足の上にかけ、右手でもつ
  • 左手で右足の指先を包むようにもつ
  • 出来るだけ長い息を吐きながら、足首をゆっくり前回し10回、後ろ回し10回
  • 反対側の足も、同様に行う


  • 肘が後頭部に来るように右腕をあげる
  • その右手首を左手でつかみ、息を吐きながら、肘を後ろに押す
  • 一度息を吸い、ゆっくり吐きながら、掴んだ右手をした煮ひっぱりながら上体を左側に曲げる
  • 息を吸いながら上体を戻す
  • これを左右三回ずつおこなう


  • イスに浅く腰かけ、右脚を上にして組む
  • 左手で右ひざ、右手でイスの背もたれをもつ
  • 息をゆっくり吐きながら視線を右に回し、顔・首・肩と順番に回す
  • コレを3回繰り返す
  • 逆も同様におこなう


  • ぬれタオルで目と額を冷やす(もし可能なら)
  • 両手を汗ばむくらいまですりあわせる
  • 息を吐きながら、手のひらの中心に目が来るように当てる
  • ゆったりとした呼吸を5回、手からのエネルギーが眼球におくられるのをイメージ
  • 目に強く押しつける必要はない


  • イスから立ち上がり、「ばんざーい」と、大きく身体を伸ばす
  • 息を吸いながら身体が伸びたがっている方向にのばす
  • そこでいったん息を止める
  • 口から息を吐きながら、すべての間接が広がるようさらにのばす


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いかがだったでしょうか?
血の巡りがよくなり、頭もすっきりするはず。 最後の「バンザイ」以外は、目立たず出来るからオフィスでもぜひやってみてください。
あと、お風呂で汗を効率よく流すには、口に水を含む(3分くらい) と、いいです。 これは、カラダに「水分は補給できてるから安心して汗を出してくださーい」と、命令することになるんだそうです。


あと、カラダって「楽しいこと」や「笑うこと」を増やすと、免疫力が高まり、カラダの機能の低下を防ぐともいわれる。 どうかみなさんも、どんどん楽しいことを見つけ、これを積極的に実践して欲しい。 "イラ写"を毎日読むのも、対処法です(ホントか!?) これからも、そんな 「カラダに良い話題」を、お届けしていきますね。


「自分のことは自分で守る」
それも、ぼくが香港に来て学んだことのひとつ、である。





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